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成長に合わせたお世話がポイント。インコの雛の育て方

ペットショップでインコの雛を見かけたら、そのかわいらしさから飼ってみたいと思う人も多いはず。小鳥を飼ったことがない人やインコを雛から育てたことがない人にとって、雛はハードルが高く感じるかもしれません。ちゃんと世話ができるだろうかと不安になることでしょう。インコの雛の育て方についてお伝えします。雛でいる期間はあっという間です。雛の日々の成長を楽しみながら、立派なおとなのインコに育て上げてくださいね。

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雛を育てるために必要な道具を準備しましょう

インコの雛を迎える前に、まず雛を飼育するために必要な道具を準備しましょう。

プラケースと床材

雛のうちは鳥用のケージではなく、昆虫を飼育するときに使われるプラケースの中で飼育をします。30センチほどの小さいサイズで十分です。
プラケースの底には床材を敷き詰めます。ウッドチップやキッチンペーパーを細長く切ったものがおすすめです。着なくなったアンダーシャツやTシャツを切って使ってもよいですが、爪がひっかからない素材を選んでください。

保温器具と温湿度計

保温器具にはパネル式と電球タイプがあります。パネル式はプラケースの中に入れて使うことができますが、暖かさでいうと電球タイプです。電球タイプは表面が熱くなるので、ケースの外側にセットして使います。
雛の飼育では温度管理がとても重要です。プラケースの中に小さい温湿度計も取り付けておきましょう。

粟玉とフォーミュラ

雛用の粟玉とフォーミュラを用意します。フォーミュラはパウダー状のフードで、粟玉に混ぜて与えます。雛に必要な栄養を補うことができます。

さし餌用の食器

さし餌用として食器も販売されていますが、家にある食器やタッパーを使っても問題ありません。さし餌用のスプーンだけは用意しておきましょう。専用のスプーンは先が細くなっている形なので雛に餌を与えやすく、プラスチック製なのでソフトな感触になります。

雛の育て方で大切な温度管理。雛のうちは暖かく

ペットショップにいる雛はほとんどが生後2週間~3週間くらいです。まだ羽が生え揃っていないため体が冷えやすく免疫力も低い状態のため、温度管理がとても重要です。
成鳥になると私たちが生活する室温でも問題ありませんが、雛の成長に合わせて温度を変えていくことが大切です。

迎えたばかりのうちは雛がいるプラケースの中を30度に保ってください。

生後1ヶ月くらいになるまで温度を30度にし、湿度は60%に保ちます。

最初は綿毛が多かった雛も、1ヶ月を過ぎるときれいな色つきの羽が増えて綿毛が目立たなくなります。ですが、風切羽は短く、羽をバタバタさせることはあっても飛べるのはまだ先といった状態です。この頃になると温度は28度を目安にして、少しだけ下げてみてください。必ず雛の様子を確認しながら、寒そうであれば温度を30度に戻します。

さらに1週間もたつと羽が生え揃い、羽をバタバタさせると体が浮くこともあり、いよいよ飛べそうな感じです。温度も雛の様子を確かめながら、少しずつ下げてみましょう。25度より低くならないようにし、26~28度くらいで様子をみてください。

雛の育て方で大変でもあり楽しみなのがさし餌です

雛を育てる上で一番大変なのがさし餌です。雛を朝起こしてから夜寝かせるまでの間、数回に分けてさし餌をする必要があります。朝7時頃から最後は夜の10時を目安に、3~4時間おきにさし餌をしてください。雛の餌はお湯でふやかして温かい状態で与え、作り置きができないため、さし餌をする直前に毎回作らなければなりません。大変ではありますが、雛と触れ合うことができる幸せなひとときでもあります。

雛のさし餌の作り方

粟玉を1食分だけ容器に入れ、お湯を加えて20分ほどおいておきます。20分たったらお湯を捨て、雛用パウダーフードを粟玉と同じくらいの量を加えてよく混ぜてください。
50~60度くらいのお湯を加えてドロドロの状態にします。ポタージュスープのゆるさが目安になります。40度に冷ましてから、さし餌用のスプーンで雛に食べさせます。

雛は冷たい餌は食べません。さし餌をしているうちに餌が冷めてしまうことも多いです。冷めた時は湯煎をして温め直してから与えてください。熱いと火傷をしてしまうので、冷た過ぎず熱過ぎずが大切です。インコの体温でもある40~42度が丁度よい温度になります。

雛はお腹が空くとピーピー鳴いて餌をねだりますが、さし餌をする前に前回食べた餌がそのうに残っていないかどうか確かめてください。そのうは首のあたりから胸にかけての場所にあります。餌を与えた直後はそのうが膨らんでいますので、さし餌をした時に一度確認しておくと良いでしょう。

雛の成長に合わせた育て方、ひとり餌へ切り替える

生後1ヶ月を過ぎた頃からひとり餌に慣らしていきましょう。

  1. 最初のうちはさし餌を行いながら乾いた餌を食べることにも慣れてもらいます。大人用の餌を食べるようになってきたら、少しずつさし餌の回数を減らしていきます。
  2. 雛のプラケースの中に乾いた粟玉をばら撒きます。インコは足元にあるものをついばむ習性があるので、自然に粟玉を口に入れてくれます。最初は口に入れてもそのまま出してしまうかもしれませんが、少しずつ食べられるようになります。
  3. 雛が乾いた粟玉を食べられるようになったら、いよいよ皮付きのシードに挑戦です。成鳥用の皮付き餌をばら撒き、同時に粟の穂も入れておきます。
    粟の穂にも殻が付いているので、最初は上手に食べることができなくても、興味を示してつっついているうちに自分で殻をむいて食べられるようになります。粟の穂はとても嗜好性が高いので、一度口にするとどんどん食べるようになることが多いです。
  4. 乾いた餌を食べているようなら、さし餌の回数を減らしてください。日中は乾いた餌を食べさせ、朝と寝る前だけさし餌をします。雛の状態を確認した上で、次は朝のさし餌をやめて夜だけにし、問題なさそうなら夜もやめてさし餌から卒業です。
    乾いた餌を食べるようになったら必ず水をセットしてください。
さし餌からひとり餌に変えていくときは、毎日雛の体重を計ることをおすすめします。皮付きの餌を食べているようでも、実際にはそれほど食べていない可能性もあります。体重が減っていたら十分に食べていないということがわかるので、その場合はさし餌を増やして様子をみることができます。

雛の成長に合わせた育て方、ケージデビューへの道のり

雛のうちはまだ上手に止まり木にとまっていることができませんが、次第に足がしっかりしてきて姿勢がよくなります。羽が生え揃い、飛ぶような仕草が見えはじめた頃には足にも力が入り、立ったり歩いたりもスムーズになります。この頃になったらプラケースの中に止まり木をセットしておきます。

長い止まり木をプラケースの幅に合わせてカットし、突っ張らせて取り付けても良いですし、脚付きの低い止まり木を使う方法もおすすめです。止まり木にとまっていられる練習をするので高さは必要ありません。高いところに止まり木をセットしてしまうと、落ちた時に体を痛めてしまいます。床材とほぼ同じ高さで十分です。

止まり木に慣れてきたら、今度はケージに挑戦です。

ケージには上と下に止まり木をセットしますが、最初は上の止まり木は外して下にだけセットしてください。ケージに慣れてもらい、止まり木の上で過ごすための練習をします。
雛が止まり木から落ちて怪我をしないように、ケージの底には爪がひっかからない素材の布を敷いたり新聞紙やキッチンペーパーをちぎったものを多めに敷き詰めてください。

最初のうちは日中だけケージで過ごさせます。ケージにすっかり慣れてきたら、夜もケージで寝かせてみましょう。
雛がケージで過ごす様子を確認し、問題なさそうなら上にも止まり木をセットしてください。雛は割とすぐにケージにも慣れますので、早いペースでケージに引っ越すことができます。なかにはケージを怖がる雛もいますので、その場合はケージの止まり木などを外し、ケージの中にプラケースを入れてみてください。

雛が成長しておとなに近づくつれて、飼い主の手を離れていくので世話も少しずつ軽くなります。少し寂しいような気もしますが、愛情たっぷりでお世話したのですから、人によくなつくインコに育っているはずです。手乗りインコと一緒に過ごす時間を楽しんでくださいね。