インコのメスはたとえ1羽飼いであっても発情期になると卵ができます。そしてスムーズに産卵できず、りきんでも卵が出てこないのなら卵詰まりをおこしています。卵詰まりは命にかかわる大変な事態。卵詰まりの症状を知っておき、少しでも疑いがある場合はすぐに対処することが大切です。また、卵詰まりの原因を理解することで卵詰まりの予防にもつながります。
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インコがなかなか産卵しない。卵詰まりの症状について
インコが発情期に入り、お尻のあたりがいつもより膨らんでいたら卵ができている可能性があります。
インコのお尻のまわりを触ってみて、固いコロンとしたものが感じられたら、それは卵です。卵があるとわかったらその日もしくは翌日には産卵をします。
そろそろ産卵してもよいはずなのに、なかなか卵を産まないのなら卵詰まりを疑っておきましょう。
インコの卵が確認できたら、インコの様子を注意深く観察してください。卵を産むときはケージの底に降りたり、止まり木の上を行ったり来たりと落ち着きのない様子がみられるようになります。卵を出そうとして力んでいる様子も見られます。
このような行動が見られても卵を産んでいなければ、自力で産卵できない状態です。次第にインコに元気がなくなり、羽を膨らませてじっとしているようになります。卵が詰まっているため便が出なくなることもあります。
インコに卵詰まりの症状があるのなら、すぐに病院へ連れて行きましょう
インコが卵詰まりかもしれないと思ったら、できるだけ早めに病院へ連れて行ってください。
卵詰まりの症状が重くなればなるほど、病院へ行くまでの道のりもインコの大きな負担となってしまいます。
- 病院へ行くときもしっかり保温してください。インコに寒がっている様子が見られなくても、産卵のために保温すると考えていつもより暖かくして連れて行きます。
- 病院へ着いたら受付で卵詰まりの疑いがあると伝えてください。診察の順番がくるまでインコを先に預かって保温してくれます。
- 獣医へはインコの卵を確認した日時、インコの様子、これまでの産卵の状態を伝えてください。初めての産卵なのか、以前いも卵詰まりになったかどうかは重要な情報です。
インコに卵詰まりの症状がみられるけれど、すぐに病院へ行けない場合
インコが卵詰まりかもしれないと思っても、病院が受付していない時間帯であれば獣医に診てもらうことができません。すぐに病院へ連れて行けない場合や、まだ症状が軽いうちなら自宅でもできることがあります。
保温する
インコのケージの中を保温して、いつもより暖かい状態にしてください。30度を目安に、インコの状態を見ながら温度を調節します。インコが羽を浮かせて暑がっている場合は、暑がらなくなるまで温度を少しずつ下げていきます。インコの状態によっては30度を超えても問題ないこともあります。病気のインコと同じように考えて保温してください。
ペット用のヒーターがないとインコのケージだけを保温するというのは難しくなります。そこで便利なのが湯たんぽやペットボトルです。ペットボトルも湯たんぽと同じように使うことができますが、必ず温かい飲み物にも使えるペットボトルを用意してください。
湯たんぽやペットボトルの中にお湯を入れたら、インコのケージの外側に置いてください。湯たんぽごと毛布やビニールカバーで覆うことで効率よく保温することができます。ケージの中が暑くなりすぎる時は湯たんぽをタオルでくるむか、カバーの隙間を広げて温度を調節します。
湯たんぽはケージの中には入れないでください。万が一湯たんぽから中のお湯が漏れたら蒸気で火傷をしてしまいますし、インコが興味を持っていたずらをする可能性もあります。
カルシウムを与える
インコの卵はカルシウムで出来ているため、インコの体内のカルシウムが足りないと殻がしっかり固く作られません。既に何個も卵ができている場合はカルシウム不足になる可能性があります。インコに卵ができそうな時は普段より多めにカルシウムを与えるようにしてください。
カルシウムと同時にビタミンも与えましょう。青菜だけでは心配な場合は鳥用のビタミン剤を飲み水に混ぜるか餌にふりかけてください。ビタミン剤は市販されていますが、病院で相談してみるのも良いでしょう。
インコに多い卵詰まりの原因について
インコの卵詰まりの原因の多くはカルシウム不足にあります。
卵の殻はカルシウムでできているため、卵を作るときはインコの体内にあるカルシウムをたくさん使うことになります。メスの体内はカルシウム不足になりやすく、発情期になるとメスのインコはいつもよりカルシウムをたくさん摂ろうとします。
カルシウム不足以外にも卵詰まりの原因があります。
卵はできたものの、落ち着いて産卵できない環境であればインコは卵を産もうとはしません。ケージの側を人が頻繁に行き来したり、他のペットが近づいたり、または窓から外敵が見えるような環境であれば産卵する気にはならないでしょう。
インコのメスには卵がつきもの。卵詰まりにさせないためには
インコが卵詰まりにならないために、飼い主としてできる限りのことをしておきましょう。
メスのインコなら発情期に入るといつ卵ができてもおかしくはありません。発情期は通常なら春と秋の年2回ありますが、人に飼われているインコの場合は一年に何度も発情しているケースも少なくありません。発情が多ければ卵ができる機会も多くなります。卵詰まりを防ぐためには発情させすぎないことがとても大切です。
発情期になったら卵ができた時に備えて、カルシウムを多めに与えてください。
カルシウムはボレー粉やカトルボーンで補うことができます。また、体内のカルシウムには日光浴も必要です。天気が良くて暖かい日なら1時間ほど日光浴させたり、窓越しでも良いので毎日少しでも日に当たる時間を作ってください。
インコの体を冷やさないように気をつけましょう。ケージの中を保温するだけでなく、ケージから出て遊んでいるときの室内の温度にも注意が必要です。寒すぎる環境の中では産卵がスムーズにいかなくて卵詰まりになる恐れがあります。卵ができたらインコのいる場所すべてをいつもより暖かくしてください。