精巣腫瘍はセキセイインコに多い病気のひとつです。ろう膜の色が変わるなどわかりやすい症状もありますが、気づいたときには深刻な状態で余命宣告されることも少なくありません。1年のうちに何度も発情を繰り返しているオスに多くみられる病気でもあります。できてしまった腫瘍をなくすことは無理ですが、症状を抑えながら少しでも長く一緒に過ごすことは可能です。そのためにも精巣腫瘍の症状にいち早く気がつくことが大切です。
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セキセイインコが精巣腫瘍になるとろう膜に症状があらわれます
精巣腫瘍の症状のひとつにろう膜の変色があります
初期の症状で飼い主が精巣腫瘍に気づくことができるのは、このろう膜の色くらいでしょう。なかには精巣腫瘍であってもろう膜の色が変わらないという場合もあれば、ろう膜が変色したからといって必ずしも精巣腫瘍とは限らないこともあります。
精巣腫瘍になると、ろう膜の色が発情をしているメスのようになります。
通常なら青色、ハルクインのような品種なら桃色をしていますが、これが赤茶色に変わっていきます。精巣腫瘍には女性ホルモンがあり、それが分泌されることによりメス化といった症状があらわれます。背中を反らすなど発情中のメス特有の行動が見られることもあります。
セキセイインコが精巣腫瘍になったときの他の症状について
腫瘍が大きくなると他の症状があらわれるようになります。腫瘍が大きくなることでお腹が膨らんで見えるようになりますが、お腹の中で大きくなった腫瘍は他の臓器を圧迫するようになります。呼吸が苦しくなる、便が出にくくなるといった症状が出る場合もあります。お尻に便がくっつくようになり、それが肛門を塞いでしまい便が外に出せなくなることもあります。
- 足の神経を圧迫すると足に異常があらわれます。
- 握る力が弱くなり止まり木から落ちたり、歩き方がおかしくなります。
- 足先が丸まったままになったり、足が麻痺して動かなくなることもあります。
腫瘍が大きくなると下腹部がふっくらと膨らんでいるのがわかるようになります。腹水になるとまるで卵があるかのようにお尻の上のあたりが膨らんでいるのがわかります。
精巣腫瘍の症状に早く気づくことも大切です
精巣腫瘍に気づくのが遅れて末期の状態になると、病院でも手の施しようがなくて余命宣告をされることが多いです。腫瘍が小さいうちなら手術も可能なこともありますが、大きくなると他の臓器と癒着して切除するのが難しくなります。
どの病気もそうですが、精巣腫瘍も早期発見、早期治療が大切です。
まだそれほど進行していないうちなら症状を抑えながら腫瘍と付き合っていくことができます
進行を遅らせることで、精巣腫瘍になった後も何年も生きられることもあります。
進行した状態で排便困難や足の麻痺などがあると、できることも限られてしまいます。たとえ薬がよく効いて進行を遅らせることができても、セキセイインコがスムーズに日常生活を過ごすためには常に飼い主の介助が必要になるでしょう。
セキセイインコの精巣腫瘍、完治には手術しかありません
精巣腫瘍になると、外科手術をして腫瘍を取り除かなければ完治することはありません。ですが、セキセイインコのような小さな鳥の開腹手術を行っている動物病院は限られていて、成功する確率も決して高いものではありません。手術には多くのリスクがありますので、手術をするかどうかの決断は飼い主にとってもつらいものです。
セキセイインコが精巣腫瘍になりやすい。その原因について
セキセイインコの精巣は体内にありますが、熱に弱いという特徴があるため普段は他の臓器と触れないような位置にあります。発情するとこの精巣が大きくなり、周りの臓器に触れて温められてしまうことになります。
セキセイインコの発情期は通常であれば年に1~2回だけです
ところがペットのセキセイインコの場合は1年に何度も発情期があったり、なかには1年中休むことなく発情状態にあるセキセイインコもいます。発情することが多いと精巣腫瘍になるリスクも高くなってしまいます。
精巣腫瘍になるとこれ以上悪化させないためにも発情を抑えなければなりませんが、普段から過発情にならないようにすることで精巣腫瘍を予防することにつながります。年に1~2回の発情であれば問題ありませんが、これ以上発情している状態であれば過発情です。