精巣腫瘍はインコに多い病気のひとつです。気づいた時にはかなり進行していることもあり、治療はとても困難です。初期の段階ではいつもと変わらない様子かもしれません。ですが精巣腫瘍には飼い主でもわかる特徴的な症状があります。大切なのは少しでも早く症状に気づいて治療を始めることです。精巣腫瘍と上手に付き合いながら何年も生きているインコもいます。少しでも長く一緒にいられるために、飼い主にできることを考えてみましょう。
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インコが精巣腫瘍になると、ろう膜に症状が出ることが多い
インコに多い病気に精巣腫瘍があります。常に発情しているインコがかかりやすいと聞くと、たちまち心配になる飼い主さんも多いでしょう。
インコの精巣腫瘍は治療が難しいため早く気づいて対処することが大切
かなり進行するまで症状が出ないこともありますが、ろう膜の色が変わったことで精巣腫瘍に気づくことも多いです。
通常、オスのろう膜は青色または品種によってはピンク色です。精巣腫瘍になるとろう膜の色が茶色に変わるという特徴があります。発情しているメスのような色になります。
インコの精巣腫瘍、症状の特徴は発情中のメスのような行動
ろう膜の変色の他にも、発情中のメスのような行動がみられることがあります。ですが、すべてのインコに必ずメス化の症状が出るわけではありません。
発情しているメスはよく背中をそらしてしゃちほこのようなポーズをとります。これは交尾のときにするメスの姿勢のため、通常ならオスがすることはありません。精巣腫瘍になったことでメスと同じポーズをとることがあります。
他にも巣作りを思わせる行動をすることもあります。
精巣腫瘍が大きくなると他にも様々な症状が出ることがあります
精巣腫瘍はろう膜の変色などメス化という特徴があらわれますが、腫瘍が大きくなると他の症状もみられるようになります。
お尻のあたりがふっくらと膨らんで見えることがあります
大きくなった腫瘍が原因のこともありますが、腹水も考えられます。
我が家のセキセイインコの場合も腹水によりお腹が少し膨らんでいました。
腫瘍が大きくなることで他の臓器を圧迫し、呼吸が困難になったり、便が出なくなる、足の神経が圧迫されることで足が麻痺してしまうこともあります。
精巣腫瘍の症状に気づいたら、インコをすぐに病院へ
- 病院ではレントゲンで骨の状態を確認します。
- 診断が難しい場合は造影剤による検査も行うことがあります。
- インコの精巣腫瘍は外科的処置が難しく、手術自体を行っていない病院も多いです。
手術が可能な状態なら、他の病院を紹介してもらうこともできますが、リスクが高いことを覚悟しなくてはなりません。
精巣腫瘍になったインコの過ごし方
精巣腫瘍をこれ以上進行させないためには発情を抑えることが重要
常に発情を繰り返しているのなら、飼育方法を見直して発情を防いでください。
- 日照時間が長くなると発情しやすくなるため、インコが起きている時間を短くします。
- 発情対象をなくす必要もあります。
お気に入りのおもちゃや鏡が大好きで、よく吐き戻しをしているのなら、それが発情の対象です。大好きなものを取り上げるのはかわいそうですが、その代わりたくさん話しかけたり、新しい言葉を教えたり、一緒に遊ぶことで他の楽しみを作ってあげてください。
元気なときはケージから出たがり夢中になって遊ぶこともありますが、無理をさせないことも大切です。また、換羽など体力が落ちやすい時期は特に注意が必要です。
我が家のセキセイインコが精巣腫瘍になったときは余命一ヶ月で、獣医さんからは残された時間を大切に過ごしてくださいと言われました。それなのに私は、進行を遅らせる方法などを調べることで忙しく過ごしてしまい、それをずっと後悔しています。
インコは精巣腫瘍で体調が優れなくても、いつもと変わらない毎日を過ごそうとしています。
獣医さんはホルモン剤や進行を遅らせる薬を処方してくれます。飼い主さんができることは精巣腫瘍と向き合いながら、楽しい毎日を与えてあげることです。後悔のないように愛情いっぱい注ぎながら、いつもと同じように楽しく過ごしてくださいね。