セキセイインコを1羽だけで飼っていても、メスが発情期を迎えると卵ができることがあります。特にペットのセキセイインコはいつでも十分な餌があり、一年中暖かくて安全な環境にいることで発情しやすい傾向があります。
発情は卵詰まりの危険性だけでなく、生殖器系をはじめ様々な病気のリスクを高めてしまいます。
セキセイインコにはいつまでも元気に長生きしてもらいたいですよね。そのためには発情を抑えることが大切です。飼い主としてできることを考えてみましょう。
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セキセイインコの発情期、本来なら年2回だけです
セキセイインコを飼っていると、飼い主にはいずれ発情との戦いが強いられます。
セキセイインコの発情は生後半年くらいから始まり、年2回の発情期があります。春や秋といった過ごしやすく雛を育てやすい時期に発情期を迎えますが、ペットとして飼われているセキセイインコなら年中繁殖に適した環境にいるため発情しやすくなってしまうのです。1年のうちに何度も発情しているセキセイインコもいれば、一年中休みなく発情をしている状態のセキセイインコもいます。
メスのセキセイインコなら発情することで卵ができてしまいます。
鶏の卵と同じく、セキセイインコも場合もメス1羽だけでも卵ができます。オスがいないためもちろん無精卵で雛がかえることはありません。
卵の殻はカルシウムからできていますので、セキセイインコの体内のカルシウムが多量に奪われることにもなります。カルシウムが足りないと卵の殻がきちんと作られず、そのためスムーズに産卵ができなくなり卵詰まりになることも多いです。
また、発情する回数が多かったり発情が長引くことで、生殖器系をはじめ他の内臓の疾患のリスクも高めてしまいます。ヘルニアなど、何度も産卵することでかかってしまう病気もあります。
セキセイインコのメスが発情期を迎えたときの行動
セキセイインコのメスが発情すると特徴的な行動が見られるようになります。
- 産卵して雛を育てるために丁度よい場所が必要なため、狭くて薄暗いところを気にかけるようになります。ケージから出すと家の中にある隙間を探し始めるようになります。普段は気にかけないような家具と家具の隙間を覗いたり、箱の中に入り込む様子が見られるようになります。我が家の場合でもちょっと目を離したすきに家具の隙間に入り込み、名前を呼ぶと頭にホコリをつけて出てきました。
- 人に慣れているセキセイインコなら飼い主の洋服の中に潜り込もうとしたり、ポケットの中に入ることもあります。
- 新聞紙などの紙を噛みちぎる行動も見られます。壁紙を夢中になって噛むこともありますので、油断すると壁紙がボロボロになってしまいます。
- メスの発情行動で有名なのがシャチホコポーズです。背中をそらしてシャチホコのような姿勢になり、そのまま固まってしまいます。指で押すとそのままの状態でツーっと滑るほどフリーズをしてしまいます。
- 攻撃的になる特徴もあります。よくなついているセキセイインコでも力いっぱい指を噛んできたり、怒りっぽくなります。
- 蝋膜の色が濃くなったり、中にはカサカサになったり盛り上がってくる場合もあります。糞が大きくなり、骨盤が広がるといった身体的な特徴も見られます。
メスの発情期を減らすために飼い主ができること
過度な発情はセキセイインコの健康にもよくありません。飼い主として発情させない生活を考えてください。
発情は日照時間と大きく関わってきます。暖かくなってきて日照時間が長くなると産卵や子育てに最適な時期となります。セキセイインコを夜ふかしさせて起きている時間を長くすることは日照時間が長い状態と同じことです。
飼い主の生活に合わせて朝は早く起こさなければならないという場合も多いでしょう。その分、夜は早めに寝かせるようにしてください。発情をさせないためには1日の日照時間を8時間程度にすることが理想です。
夜は早い時間におやすみカバーをかけて暗くして寝かせても、リビングなど人の会話やテレビの音がうるさいところではセキセイインコも眠ることはできません。静かなところにケージを移動することも必要です。
- 鏡やお気に入りのおもちゃなど、発情の対象物を取り除きます。お気に入りのものを取り上げるようで心苦しくなりますが、発情を抑えるためには必要なことです。ケージの下に敷いている紙を噛みちぎっているのなら、その紙も取り除くか糞切り網を取り付けて噛めないようにしてください。
- また、適度なストレスを与えるのも効果的です。見慣れない物を部屋の中に置いて、セキセイインコの視界に入るようにします。緊張感があれば産卵して雛を育てるような気持ちにはなりません。見慣れない物に慣れてしまったら別の物に変えたり、たまに動かすなどして緊張感を与えてみてください。ケージの置き場所を日によって変えるのも効果があります。
- 食事の量を調整する方法もありますが、獣医師のアドバイスのもとで行なってください。野生であれば毎日の食料探しが必要ですが、飼われている場合はいつでも十分なえさがセットされていますので繁殖に適した環境になります。栄養価の高い食事をとることでも発情しやすくなります。発情を抑えるためには質素な食事にするのも良いですが、栄養バランスが崩れる心配もあります。セキセイインコの食事制限は難しいので、必ず獣医師に相談して行うようにしましょう。
セキセイインコのメスに卵ができてしまったら
もしも卵ができてしまったら、無事に産卵させることが第一です。
発情抑制はストップして、産卵するまで環境を整えて見守ってあげてください。
お尻のあたりがいつもより膨らんで、触るとコロッと固いものが感じられたら卵がある可能性が高くなります。卵ができていたらケージの中を暖かくして、静かで落ち着ける状態にしてください。卵ができていてもいつものようにケージから出て遊びたがる場合も多いですが、放鳥時間は短めにして体力を使いすぎないようにしてあげましょう。
卵が確認できたのになかなか産卵しない場合は注意が必要です。
卵を産もうとしている様子が見られるのに卵が出てこなかったり、糞をしていない、次第に膨らんでじっとし食欲も落ちて体調が悪そうな様子が見られたら卵詰まりの可能性があります。心配な様子が見られたらすぐにでも動物病院へ連れて行ってください。卵があるかどうかわからない場合も動物病院で確認してもらうことができます。
卵を産んだらセキセイインコのメスは抱卵を始めますが、1こから抱卵するセキセイインコもいれば2個産んでから抱卵を始めるセキセイインコもいます。卵をほったらかしにしていても、そのままにしておいてください。
最後の卵を産んでから2週間ほどしたら取り上げても大丈夫です。それくらいになればセキセイインコも卵がかえらないと諦めてくれます。
セキセイインコのオスの発情期について
セキセイインコのオスが発情期を迎えると、メスとは違った行動が見られるようになります。
オスの特徴的な行動のひとつに吐き戻しがあります。メスがいるならメスに対して行う行動ではありますが、オスだけの場合なら発情の対象である物に対して行います。鏡にうつった自分に対して、又はお気に入りのおもちゃや飼い主の爪に餌を吐き戻すようになります。
お尻をこすりつける行動も見られるようになります。飼い主の手やお気に入りのおもちゃに乗ってお尻をすりすりこすりつけてきます。
オスは卵詰まりの心配はありませんが、過度な発情は精巣腫瘍などの病気のリスクを高めてしまいます。