インコをつがいで飼っていると、卵を産んだときにはヒナがかえる可能性が高くなります。一生懸命に卵を温めている様子はけなげで応援したくなりますよね。インコに卵ができたとわかったら、抱卵してヒナを育てるための巣箱を用意し、静かで落ち着ける環境を整えてあげることが必要です。
初めての産卵であれば飼い主もインコもすべて初心者。要領をつかめていなくて不安を感じることもあります。卵は孵化するまでどれくらいかかるのか、また、ヒナがかえったときは飼い主はどんな手助けができるのかを考えておきましょう。
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インコが産卵してから卵が孵化するまでの日数
インコはメスの1羽飼いでも発情期を迎えたら卵を産みます。1羽だけならその卵は無精卵になりますが、つがいで飼っているのなら卵は有精卵で孵化する可能性が高くなります。2羽の仲が良く、交尾をしている様子が見られたらメスはそのうち産卵をするでしょう。
また、産んだらすぐに抱卵するインコもいれば2個目の卵を産んでから抱卵するインコもいます。産んだ卵を温めないからと言って卵を取り出さずにそのままにしておいてください。卵を温めるのはメスの役目です。
卵が孵化するのはメスが抱卵してから18~20日くらいです。
インコは1日おきに5~6個を産卵するため、孵化するタイミングにも差があります。1週間から10日ほどかけて孵化していきます。
インコの卵が孵化しないのなら無精卵の可能性があります
インコは一生懸命に卵を温めますが、なかには孵化しない卵もあります。
一個目の卵は無精卵の場合が多いので、無精卵であれは孵化することはありません。2個目以降の卵から次々に孵化していきます。
つがいで飼っていても全ての卵が有精卵とは限りません。全ての卵が孵化しないということもあります。
インコはメス1羽だけでも卵ができて産卵をします。メスだけなので産んだ卵は無精卵ではありますが、卵を温めることもします。何日も抱卵しても卵がかえらないと、インコは諦めて卵を温めることをやめます。
メスが抱卵を始めてから20日以上過ぎても卵が1個も孵化しない場合もあります。
その場合はインコが諦めるまでしばらく様子を見てみましょう。インコが諦めて巣箱から出てきたら卵を処分してください。
インコに卵ができたら、抱卵と子育てをしやすい環境をつくる
インコに卵ができたとわかったら、メスが卵を温めてヒナをかえすための環境作りをしてください。
巣箱が市販されていますので、インコにぴったりのサイズを用意してケージに設置します。最初は怖がるかもしれませんが、発情しているメスは狭くて暗いところを気にかけますので、巣箱が巣として使えるかどうか確認するために近寄ってくるでしょう。
巣箱を取り付けられないケージであったり、またはケージの中に巣箱を置くスペースがないという場合もありますよね。巣箱を取り付けてみたものの怖がって慣れなかったり、興味を示さないこともあります。その場合はケージの底に抱卵スペースを作ってあげてください。ケージに糞きり網を取り付けているのなら外しておきます。卵が孵化してヒナがかえった時を考えると、糞きり網はヒナにとって危険でもあります。
ケージの隅にインコの抱卵スペースを作るのであれば、インコが中に入ることができるサイズのかごや箱を用意してみてください。
中にウッドチップや藁などの床材を敷いておきます。インコがその中に入るようになると、そこで卵を産んで抱卵し、ヒナを育ててくれます。
インコが用意したカゴや箱に興味を示さない場合は、ケージの底の隅に直接床材を敷いておくと良いでしょう。固いプラスチック製のトレイが気になるのでタオルを敷きたくなりますが、タオルはインコの足の爪が引っかかってしまう恐れがあります。タオルなら表面の糸がループ状になっていない、爪がひっかからないような布を用意してください。
インコの卵が孵化したら、飼い主は温かく見守りましょう
インコの卵が孵化したら、ヒナの世話はインコにまかせてください。
飼い主ができるのは安心して子育てができる環境づくりだけです。
インコのケージは静かな場所に移し、親鳥が落ち着ける環境にしてください。窓の側だと日光が直接あたったり、外の様子が見えるため親鳥が子どもを守ろうといつも以上に警戒して過敏になります。エアコンや暖房器具からの風が直接あたる場所や人の出入りが多い場所も避けてください。
メスは抱卵とヒナの世話でかなり体力を消耗しています。十分な栄養がとれるように、エサ箱にはいつもより餌を多めに入れてあげましょう。栄養のバランスも考えてカルシウムやビタミンも与えるのも忘れないでください。
巣箱からヒナの声が聞こえてくると、ヒナの様子が気になって見たくなりますよね。ですが、ここは飼い主の忍耐力が必要です。巣箱を頻繁に覗くと親鳥のストレスとなり、我が子であるヒナをつっついて攻撃することもあります。
ヒナにすくすくと育ってもらい親鳥も健康でいてほしいのであれば、飼い主は巣箱やケージの中を覗いたりしないで温かく見守るだけにしましょう。
ヒナを手乗りのしたい場合、親鳥から離す時期
ヒナはそのうち巣箱から出てくるようになります。自分から巣箱の外に出るようになったら親鳥から離しても構いません。ヒナだけをプラスチック製のケースに入れて飼い主が世話をすることもできます。
ヒナを育てるためのプラスチック製のケースを用意してください。ウッドチップや藁、新聞紙をちぎったものなどを床材に使い、ペット用のヒーターを取り付けてケースの中は常に暖かくしてください。温湿度計もケースの中に取り付けておくと管理がしやすくなります。
ヒナのうちは1日の大半を眠って過ごしますが、空腹になったら鳴いて餌をねだりだします。
親鳥から離した後はヒナに餌を与えるのは飼い主の役目です。
ヒナにはヒナ用として販売されているパウダーフードを用意してください。お湯を加えてドロドロにしてからスポイトのような器具を使って直接ヒナの口に入れて与えることになります。パウダーフードは親鳥が吐き戻す餌をイメージして、ポタージュくらいのドロドロ感でインコの体温でもある40℃位にしてから与えます。ヒナの口元に餌を持っていくとくちばしを開けて食べてくれますが、餌に気づかずに口を開けない場合はくちばしの横からスポイトの先を入れると開けてくれます。
ヒナの挿し餌は1日数回に分けて行います。3~4時間おきを目安にヒナにして挿し餌をしてください。餌を与える前にヒナのそのうの状態を確かめてください。そのうは喉と胸の間あたりにあります。餌を食べるとそのうが膨らみますので、挿し餌をした後で一度確かめておくと良いでしょう。ヒナのそのうにまだ餌が残っているのに更に挿し餌をすると、そのうの中に残っている餌が消化されないまま雑菌が繁殖し、そのう炎になる恐れがあります。