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セキセイインコが精巣腫瘍になった時の治療と病鳥との付き合い方

大切な家族でもあるセキセイインコが精巣腫瘍になり余命宣告を受ける。それは飼い主にとってとてもつらいことです。動物病院によっては外科手術をするところもありますが、腫瘍の状態とセキセイインコの体力や年齢によっては摘出手術も難しい場合があります。なんとか治療してあげたいと考えるのは当然ですが、残された時間をどのように過ごすかにも目を向けなくてはなりません。精巣腫瘍を悪化させないことで、思っていたよりも長く一緒に過ごしているケースもあります。悲嘆している場合ではありません。後悔のないように自分にできることを行ってみましょう。

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セキセイインコが精巣腫瘍と言われた。治療法について

精巣腫瘍はセキセイインコに多い病気のひとつで、5才以上のオスなら決して珍しい病気ではありません。

精巣腫瘍になったセキセイインコはろう膜の変色など特徴的な症状がみられます。

精巣腫瘍が疑われた場合はまずレントゲン検査を行います。骨が白く写ることで精巣腫瘍と判断しますが、エコーや造影剤による検査をすることもあります。

精巣腫瘍と診断された場合は、同時に余命宣告を受けることが多いです。腫瘍の大きさや症状により違いはありますが、1~2ヶ月と言われることもあるでしょう。いきなりあと1ヶ月と言われてもなかなか受け入れることはできませんが、次に治療をどうするかを決めなくてはなりません。

精巣腫瘍の治療については外科手術をする方法とホルモン剤などの薬を処方する方法があります。

精巣腫瘍を完全に治すためには精巣の摘出手術をするしかありません。ですが、セキセイインコの場合は摘出手術を行なっていない病院の方が多いでしょう。手術に伴うリスクを考えて薬での治療をすすめられる場合が多いです。

セキセイインコの精巣腫瘍の治療として外科手術を選択する場合

精巣腫瘍と診断されても、セキセイインコがまだ若くて元気いっぱいなら外科手術を選びたくもなることでしょう。小鳥の手術、特に腫瘍摘出手術の場合は行なっていない動物病院も多いです。まずは手術ができる病院を見つけることから始めなくてはなりません。

セキセイインコの精巣は背中側の左右に1こずつあります。体の奥の方の場所のため手術で取り出すのはかなり難しいようです。それでも手術を行って成功している獣医師もいます。
たとえそのような獣医師の診察を受けることができても、腫瘍の状態によっては摘出手術ができない場合もあります。また、手術ができたとしても術中や術後すぐに亡くなってしまうケースも少なくありません。開腹したものの他の臓器と癒着していて取り出すことができなかったという場合もあります。
我が家にも精巣腫瘍になったセキセイインコがいます。ずっと前からろう膜が変色していたのですが、レントゲンでは問題なかったためホルモンバランスが崩れていると言われてきました。ですが、ある日突然、レントゲン検査の結果から精巣腫瘍が確認でき余命1ヶ月と言われました。小鳥専門の病院でしたが手術は行なっていないこと、それにネットでは摘出手術が成功した例をいくつも見つけるかもしれないが失敗したケースの方が遥かに多いという話もありました。ですが、決断するのは飼い主です。外科手術も考えたいのなら、手術を行う獣医師を訪ねてみるのもひとつの方法です。

精巣腫瘍の症状には脚の麻痺や腹水もあります

精巣腫瘍も早いうちなら症状を抑えて状態を維持することで寿命を延ばすことも期待できます。

最もわかりやすい症状のひとつにろう膜の変色があります。通常であればオスのろう膜が茶色になることはありませんが、精巣腫瘍になると発情しているメスと同じような茶褐色に変わります。他にもメス化の特徴があらわれ、メスが発情している時と同じ行動がみられることもあります。オスは背中を反らすポーズをすることはありませんが、精巣腫瘍になるとこのような行動をする場合もあります。

精巣腫瘍が進行すると他の臓器を圧迫し、脚が麻痺する、あるいは動かしにくくなったり足に力が入らず止まり木から落ちることもあります。また、便が出にくくなる、呼吸が苦しそうといった症状がみられることがあります。大きくなった腫瘍や腹水のためお尻のあたりがふくらみ出すこともあります。

このような症状が見られなくても、止まり木から落ちたり飛んだ後で息が荒くなったなど、ちょっと気になるような症状の場合でも念のため病院に連れて行きましょう。食事量が増えたわけではないのに体重が増えた場合も注意してください。

セキセイインコが精巣腫瘍になる原因に発情があります

セキセイインコが精巣腫瘍になる原因ははっきりとはわかっていません。加齢やホルモン異常が原因のようですが、発情のしすぎも原因のひとつだと考えられています。

セキセイインコの精巣は体内にあります。精巣は熱の弱いため、体内でも他の臓器に接触しない形で位置していますが、オスが発情すると精巣は普段の大きさよりも何倍もの大きさになります。そのため他の臓器と接触をして熱を持ち、これが腫瘍になる原因のひとつだと考えられています。通常の発情のサイクルなら問題ないものが、年に何度も発情したり年中発情状態にあることで精巣腫瘍になる確率も高くなります。

精巣腫瘍は高齢のセキセイインコに多くみられます。年中発情している状態でも毎日元気で問題なく過ごしているかもしれません。ですが、高齢になってきてから精巣腫瘍になるというケースが多いとも言えます。精巣腫瘍のリスクを高くしないためにも、必要以上に発情させない飼育方法が大切です。

精巣腫瘍の治療とともに残された時間を大切に過ごしましょう

大切なセキセイインコが精巣腫瘍になり余命宣告をされても、そう簡単には受け入れられるものではありません。私も我が家のセキセイインコが精巣腫瘍と診断されたときは、セキセイインコの病気に関する本を何冊も読んだりネットで調べたりし、手術をしなくても治る方法を探しました。精巣腫瘍の完治には手術するしかありませんが、なかには腫瘍が小さくなった、診断を受けてからもう3年経つという飼い主の話もたくさん目にしました。腫瘍がなくなることは無理でも、症状を悪化させないで現在の状態を維持しながら寿命を延ばしている方法を考えてみてください。

病院から処方された薬を使いながら、発情抑制も行ってください。セキセイインコに足の麻痺などがある場合はケージの中のレイアウトを変える必要もあります。止まり木から落ちる危険を考えて、上の止まり木は外して下の止まり木だけにし、ケージの下で過ごさせるようにしてください。糞切り網の上にタオルなどを敷きつめ、止まり木との段差を少なくすると安心です。タオルは爪がひっかからないタイプを使ってください。

精巣腫瘍であっても元気があるうちは食欲もありますしケージから出て遊ぼうとします。ですが、腫瘍や腹水で体が重たくなっている場合は、飛んでもすぐに落下する危険もあります。ケージから出した後は飛ばないように目を離さず、放鳥時間も短くしてください。
餌のバランスも大切です。特にシードを与えている場合は栄養バランスが偏りがちなので注意しましょう。ビタミンAが不足すると腫瘍の発生率を高めるとも言われています。ビタミン剤など鳥用のサプリメントを使うのもおすすめです。無農薬やオーガニックの餌に変えてみるのも良いでしょう。

精巣腫瘍という診断を受けた後は飼い主の体や心も大変な状態になります。病鳥の世話をするために飼い主もしっかり休養と栄養をとってください。そしてセキセイインコと一緒の時間を笑顔で楽しく過ごしてくださいね。