飼っているセキセイインコが何度も発情していて頭を悩ませている人も多いでしょう。セキセイインコは人によくなついて世話も難しくありませんが、発情しやすいのが問題でもあります。発情は生殖器系の病気のリスクを高めるだけでなく、メスなら産卵によるリスクもあります。オスが毎日のように吐き戻しするのも心配になりますよね。
セキセイインコが発情しやすいのは環境によるものも多いので、飼い主の努力で発情を抑制することもできます。大変ではありますが、大切なセキセイインコのために頑張ってみましょう。
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セキセイインコが発情しているときにみせる特徴的な行動
ですが、発情期になると遊び方がエスカレートしていき、お気に入りのおもちゃが交尾の対象となったり、巣になるところを探して普段なら避けるような暗くて狭いところへ入り込んだりもします。
セキセイインコが発情期になると行動や仕草に特徴があらわれます。
オスの場合
大好きなメスに対して餌を吐き戻して与えようとします。メスがいない場合は気に入っているおもちゃや鏡に映った自分、飼い主に対して餌を吐き戻します。止まり木やケージの柵にも吐き戻すことがあります。
交尾行動も始まります。パートナーのメスがいる場合はメスの背中の上に乗ろうとしますし、メスがいない場合はおもちゃが交尾の対象となったり、飼い主の手や頭の上にお尻をすりつける行動をすることもあります。
メスの場合
メスは巣に適した場所を探しはじめ、暗くて狭いところを見つけては潜り込む行動が見られます。ケージの中のエサ箱の下、放鳥時には家具の隙間や引き出しの中、飼い主の洋服の袖口や襟元の中にも入り込む場合もあります。
紙や木をかじる行動もしますので、ケージの底に敷いてある紙を引っ張り出して噛んだり、新聞紙や本などを熱心にかみちぎったり、木製の家具や止まり木など木材をかじりがたります。我が家のセキセイインコは家具の引き出しをボロボロにし、壁紙を大きく剥がしました。
メスは交尾のときの姿勢をとることがあり、背中を反らして尾を上げ、その姿勢のまま固まって動かなくなります。メスしかいない場合でも卵を産みます。
セキセイインコが発情しやすい原因は飼育環境にあります
セキセイインコの発情期は通常なら年2回あります。
産卵してヒナを育てるのに適した季節に発情しますので、春から夏にかけてと秋口に発情することが多いです。
自然界で生きるセキセイインコなら季節に合わせて発情期を迎えますが、ペットのセキセイインコの場合は年中一定の気温を保った室内にいるため、どんな時期でも産卵や子育てに適した状態です。そのため一年中発情しているセキセイインコも珍しくありません。
セキセイインコの発情抑制には日照時間を調整
野生のセキセイインコは年に1回または2回しか発情することはありません。
ヒナを育てるのに適した季節にむけて産卵をしますので、発情期は自然と限られてしまいます。
ところがペットのセキセイインコの場合は一年中心地よい環境にいます。通常なら気温の上昇や日照時間が長くなることで季節を感じとりますが、ペットのセキセイインコの場合は常夏の地域で生きているようなものです。
年1~2回の発情なら生理的なものなので仕方ありませんが、それ以上多く発情しているのなら発情させない工夫が必要です。
- セキセイインコの発情を防ぐためには日照時間を今よりも短くし、一日10時間、長くても12時間以内にしてください。発情真っ盛りの場合なら一日8時間以内にします。これは太陽の光だけでなく照明も含まれます。
- 朝は仕事や学校のためやむを得ずセキセイインコにも早めに起きてもらう必要があるでしょう。朝7時にセキセイインコを起こしたのなら、夕方5~7時の間に寝かせるようにしてください。ケージの上から布をかけて中を暗くし、光が入らないようにして完全な夜の状態にしてください。この時、布の下を少し開けるなどして空気を取り込む部分を作ってくださいね。
ケージの中を暗くしても周りがガヤガヤ、バタバタとうるさい状態ではセキセイインコは暗いケージの中で起きていることになります。人がいるリビングではなく静かな部屋にケージを移動しましょう。 - セキセイインコの健康状態に問題がなければ、室内の温度も少し下げてみると良いでしょう。セキセイインコは寒さが苦手なので、温度を調節するときはセキセイインコの状態をみながら行なってください。
セキセイインコを発情させないためには餌も見直そう
セキセイインコの餌は餌箱の中に十分な量を入れて、少なくなっていたら殻を吹き飛ばして新しい餌を入れるという状態ではないでしょうか。常に食べ放題のため、食べては吐き戻すのを繰り返しているオスもいることでしょう。栄養状態が良いのは喜ばしいことですが、いつでも餌が食べられるというのもまた、セキセイインコの発情を促す原因のひとつでもあります。いつでも十分な餌があるのですから、安心して産卵しヒナを育てることができますよね。
セキセイインコに必要な餌の量は体重の10%程度になります。
体重が35gのセキセイインコの場合なら一日あたり4g程度の量で十分ということです。
セキセイインコが食べている餌の量を知ることから始めてください。餌箱に餌を入れるときにキッチンスケールで何g入れたかを計っておきます。食べた後で殻を吹き飛ばし、残っている餌の量を引くとどれくらいの量を食べたのかがわかります。1週間続けて計り、一日あたりの平均の量を出してください。
体重の10%よりもはるかに多いのなら、本来必要な摂取量に近づける努力が必要になります。餌の量は少しずつ減らしていきます。また、朝に1日分の量を与えてしまうと、お昼には完食してしまい、翌日まで何も食べられない状態になるのは危険でもあります。一日に必要な量を数回に分けて与えるという工夫も必要です。セキセイインコの食事制限は難しいため、獣医師に相談してアドバイスを受けながら行ってください。
セキセイインコの過発情にはリスクがあります
発情は生理現象のひとつではありますが、セキセイインコの体にとってはかなりの負担がかかるものです。
必要以上の発情はセキセイインコの健康を脅かすだけでなく、命の危険さえあります。
- オスに心配なのが精巣腫瘍です。セキセイインコの精巣は体内にありますが、精巣は熱に弱いという特徴があります。発情することで精巣は大きくなり体内の他の臓器と密着をします。これによって精巣が温められて精巣腫瘍になる危険性が高くなります。
- オスにはお尻をこすりつける行動も見られます。何度も何度もこすりつけることでお尻が擦り切れてしまい出血してしまう場合もあります。
また、吐き戻しも発情したオスがよくやる行動ですが、吐き戻した餌は痛みやすく、雑菌が繁殖した餌を食べることで胃腸をこわしてしまう恐れもあります。 - メスに心配なのが卵詰まりです。メスは卵を作るために体内の栄養やカルシウムが奪われていき、そんな中での苦しい産卵です。産卵が始まると1日おきに5個前後の卵を産みますが、産卵する度にメスはどんどんやつれていきます。栄養不足、特にカルシウム不足によって卵の殻がしっかりと作られないため卵詰まりになることがあります。体力がなかったり、病気や高齢のセキセイインコも卵詰まりが起こりやすくなります。
- 何度も産卵を繰り返すことで卵管炎やヘルニアなどにかかるリスクも高くなります。他の臓器の病気につながることもありますので、発情や産卵はメスにとって命がけと言っても過言ではないでしょう。