セキセイインコに嘔吐や下痢の症状がみられた時に疑われるのがそのう炎です。そのう炎は鳥にあるそのうという器官に菌が繁殖して炎症を起こす病気。セキセイインコにかかりやすいと言われているそのう炎ですが、実はヒナに多い病気で成鳥がかかることはあまりありません。適切な飼育方法をすることで十分に防ぐことができる病気でもあります。そのう炎になる原因を知り、大切なセキセイインコがそのう炎にならないように気をつけましょう。
スポンサーリンク
関連のおすすめ記事
セキセイインコから出てくる白い粉は何?脂粉について説明します
セキセイインコを飼っていると、ケージの周りやセキセイインコが長くいた場所には白い粉が散らばっているこ...
セキセイインコが小さいままで心配。適正体重と体調管理について
ヒナから大切に育ててきたセキセイインコ。成鳥になったのに小さいままだと心配になりますよね。標準体重に...
セキセイインコが膨らむ時の対処の仕方と保温のポイントについて
セキセイインコが羽を立てて膨らむことがあります。リラックスしている時にも羽を少し膨らませた状態に...
-
No Image
全身が真っ白のセキセイインコはアルビノという品種です。アルビノはメラニン色素を持たないため羽が白くな...
スポンサーリンク
セキセイインコのそのう炎の主な症状は嘔吐や下痢、それにあくび
セキセイインコのそのう炎の主な症状は嘔吐、あくび、下痢です。
嘔吐をしているくらいですから食欲もありませんし、よく水を飲むようになります。セキセイインコの口から発酵したような臭いがするのも特徴です。
成鳥の場合は吐き戻しという行為をしますので、嘔吐なのか吐き戻しなのかを見分けることが必要です。吐き戻しは発情による行為のひとつで病気ではありません。メスに対して、又はおもちゃや鏡、飼い主など、対象物に向けて自分の意思で餌を吐き出します。嘔吐の場合はこみ上げてくる感じで首を横に振って吐き散らします。嘔吐物で顔や頭が汚れてしまうこともあります。
体調が悪いので羽を膨らませてじっとしているようになります。便は下痢または軟便の状態になることも多いです。
嘔吐や下痢が続くつらい症状のそのう炎。その原因について
セキセイインコがそのう炎になるのは、そのうの中に細菌が繁殖したためです。
セキセイインコのそのうは食道から胃に続く間にある袋状の器官で、食べた餌を一時的に溜めておくためのものです。発情期の吐き戻しやヒナに与える餌もそのうから戻したものです。食べたものがすぐに胃におりて消化が始まるわけではなく一時的にそのうに残ります。水分の多い食べ物がそのう炎に残っている間に雑菌が繁殖し、そのう炎になってしまいます。
大人のセキセイインコは混合シードやペレットなど乾いた餌を食べます。すっかり成鳥になった後もいつまでもヒナが食べるふやかした種子を食べていることでもそのう炎にかかることもあります。
そのう炎はヒナに多い病気。症状に早く気がつくことが大切
そのう炎は大人のセキセイインコにはあまりみられませんが、ヒナには多い病気でもあります。
ヒナのうちは水分が多い温めた餌を食べますので、さし餌をしている時期はそのう炎にかかりやすいので注意が必要です。
ヒナの便はもともと水っぽく、複数いる場合はケースの中で重なり合って眠っています。そのためそのう炎かどうかが気づきにくいことも多いです。さし餌を食べない、便がいつも以上にゆるかったりお尻が汚れるといったことがあれば、そのう炎を疑ってみてください。
ヒナにさし餌をするときは、まずそのうに前回与えた餌が残っていないかどうか確認してください。餌が残っているのにさらにさし餌をしてしまうと、消化されないまま残った餌に菌が繁殖してそのう炎になります。
また、ヒナは冷たい餌は食べないため温めた餌を与えますが、この時温度が高すぎると火傷をしてしまい、そのう炎の原因になります。餌が冷たかったりぬるい状態だと消化がすすまないため、いつまでもそのうの中に餌が留まりそのう炎になることもあります。
さし餌の仕方に問題があるとそのう炎につながってしまうため、十分注意する必要があります。
セキセイインコがそのう炎になった場合の治療
そのう炎になると嘔吐やあくび、下痢といった症状が見られ、食欲が落ちて餌を食べなくなります。
セキセイインコがそのう炎ではないかと思ったときはすぐに病院へ連れて行ってください。保温して様子を見ている間にもどんどん症状が重くなり、餌を食べられないため栄養がとれず衰弱をしていきます。特にヒナは体力も免疫力も弱いため、様子見で命を落とす危険があります。
そのう炎の治療は、そのう炎になった原因によっても違います。
病院ではそのう液を採取して検査をし、注射をしたり必要な薬を処方してくれます。
成鳥の場合はそのう炎であることは少ないですが、セキセイインコは胃腸炎になりやすいと言われていますので、病院で適切な処置をしてもらうことができます。
病院から戻った後は飼い主がしっかり看病してあげてください。羽を膨らませない状態になるまで保温をし続け、静かで落ち着ける環境にしてしっかり休ませてください。ケージに戻す前にケージの中や餌箱などをきれいに洗い、清潔な状態にしておきましょう。
セキセイインコがそのう炎にならないように気をつけましょう
セキセイインコは味が濃いものやスパイシーなものが大好きです。ポテトチップスのような塩がついたお菓子などの味を一度覚えてしまうと、人が食べる度に欲しがるようになります。パンやクッキーを好むセキセイインコもいます。
その上、セキセイインコは好奇心が旺盛。飼い主が美味しそうに食べているものに興味を持ち、自分も食べてみようとすることもあります。テーブルの上にこぼれた醤油をなめたり、テーブルの上に散らばったパンくずがセキセイインコのおやつになることもあります。
セキセイインコがいる場所に食べ物を置かないようにし、パンやお菓子、ご飯など人間の食べ物は絶対に与えないようにしましょう。